「ゲラダヒヒ」を知ってる人が、どのくらいいるのだろうか?

分類:哺乳類
保護状態:絶滅の恐れ
食性:雑食
寿命:野生:19年
体長:50~74センチ
体重:13~21キログラム
ゲラダヒヒは、エチオピアの高原にしか生息せず、森林やサバンナに生息するほかの霊長類とはまったく異なっている … ヒトを除くと、最も地上での生活に適応した霊長類である … 草食霊長類の最後の生き残り

ナショナルジオグラッフィク 動物大図鑑より引用

2017年4月号のナショナルジオグラッフィク日本版では、「エチオピア 草原に生きるゲラダヒヒ」という特集があったので、すこしは知られるようになってきたかもしれない。
今年、NHKスペシャルの「ホットスポット 最後の楽園」第3シリーズの第4回で、ゲラダヒヒがとりあげられたようなので、知名度はぐんと上がっただろうとおもう。

私は、ゲラダヒヒの難しい生態などは、まったく知らないけれど、
シミエン国立公園に行けば、必ずゲラダヒヒに会えることは知っている。

ゲラダヒヒは、朝、低地から高地に移動し、夕方高地から低地に移動する。
だから、できれば午前早めか、午後遅めに行くことをお勧めする。

でも、その時間帯に行かなくても、ゲラダヒヒを見逃すことは、ない。
必ず、見られる。

運がいいも悪いもない。
時間はあったほうがいい。

シミエン国立公園内にあるシミエンロッジに泊まることができれば、のんびりと彼らと会える。
朝食が終わったらロッジの前庭でコーヒーを飲みながら、座り込む。

このロッジは、ゲラダヒヒの朝晩の移動の道筋に当たっているようで、ただぼおおっと待っていると、彼らから寄ってきてくれる。

彼らとの距離は、30センチほど。
手を伸ばせば、という比喩を使うまでもなく、手を伸ばさなくても、触れるところまで彼らから近寄ってきてくれる。
(絶対触ってはだめだし、彼らを驚かせるようなことも、してはだめ)

彼らの息遣 スースース―
砂や石を払って草を取る音 シュッツ、シュッツ、カサカサ
食べる音 クチャクチャ
が、耳に直に聞こえてくる。

エチオピアの高地にきて、ゲラダヒヒと30センチほどの距離にいる、
ゲラダヒヒは、私に頓着することなく、草を食べている、
なんというか、我ながらかっこいいことしてるなあ、と思う。

10歳の時の私が、今の私を見たら、かっこいいと思ってくれるだろうな、と思う。
それにしても、家から離れて遠くに来てしまったなあ … と感慨にふけったりする。

ゲラダヒヒはゆっくりと時間をかけて、周りの草を食べた後、腰をあげて水飲み場に移動する。
最初から最後まで、私のほうは見向きもしなかったな、と気づいて、楽しい気分になったりする。

(Y.I)

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ゲラダヒヒ(シミエン国立公園)
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